立法権って、そんなに大切なの?
以前、法治主義を説明しました。
「国の活動は、法律の従わなければならない」
というものでした。
ということは、いいかえると
「法律を作る権限(立法権)さえ手に入れれば、国を支配できる」
立法権を分離する必要性。
なぜ「立法権」に目をつけたのでしょうか。立法権って、そんなに重要なんですか?
もし立法権も行政権も司法権も一人の手に入ったら、その人は、「自分の好きな法律を作り、その法律に基づいて政治を行い、トラブルがあったら自分が裁判官として、自分に好きな判決を出す」ことができます。
そんなことを許せば、国民の人権は非常に危険にさらされます。
そこで、まず国民は立法権を全権力から分離し、議会(国民の代表)に与えました。
一人の権力者、あるいは一つの機関に全権力を持たせるのを避けたわけです。
「とにかく立法権さえ権力者から分離しておけば、
権力者といえども法律に従わねばならない以上、
好き放題はできない」
と思ったのですね。
これは大筋で正しかった。
しかし、一面、甘かったのです。
そのあたりのことは、また後ほど お話しします。